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湯と山ノート

宇奈月・黒部の温泉文化マガジン

紅葉と湯、山の錦は静かに始まる

湯まちの秋の頂点は十月中下旬。山腹の彩色を川面越しに観察しながら、湯上がりの羽織一枚の保温の重要さを書き記す深秋の記。

紅葉 温泉 黒部の四季
山腹の錦繍を映す川面と、湯気を結ぶ架橋の秋俯瞰
山腹の錦繍を映す川面と、湯気を結ぶ架橋の秋俯瞰

紅葉の湖畔や展望台と違い、湯まちの秋の鑑賞方法は多少違います。湯は山の景色を蒸気で柔らかく写す鏡であり、眼に届く山腹の色彩もその分だけ成熟した印象になります。

もう一つ大事なのが装いです。湯上がりの体は、想像以上に寒さに脆弱になります。羽織一枚と手袋を荷物に忍ばせておくと、鑑賞時間が倍ほど延びます。

深秋の湯まち、色の所在
所在望む景色
山腹枝先から色づき、急坂の斜面は進みが早い
川面朝の逆光時に限り、山の色が水面に転写される
足湯の縁落葉が湯玉の色と混ざる、至近の秋

湯気もこの時期だけの厚みを増します。冷えた大気と熱い湯の落差が最大になるのが十月中旬から下旬で、朝の湯口では白い柱が糸杉のように立つ。写真よりも先に、手の甲でその温度差を確かめてほしい部分です。

湯先での冷えの対処は旅の心得まとめ、紅葉期の湯まち装いの一例は冬の温泉旅の服装の記に繋がっています。

足湯の縁に落ちてきた黄葉と青磁色の湯玉
足湯の縁に落ちてきた黄葉と青磁色の湯玉

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